《シアターガイド》2012年11月号
《シアターガイド》2012年11月号に連載コラム第4回が掲載されました。
連載コラム《ルーツを探せ! 演劇×建築の意外な関係》
テーマ: プラン(平面計画)
《ひとこと》
今回はバストリオ『Very Story , Very Hungry』を取り上げました。
バストリオの作・演出を手掛ける今野裕一郎さんの空間感覚が独特なんですね。バストリオは3度目の観劇なのですが、前々回『絶対わからない』、前回『Rock and Roll』のとき、横に長い舞台がすごく印象的でした。
そして今回の『Very Story , Very Hungry』では横方向だけでなく、さらなる拡張が見られました。舞台というよりも住宅の間取りのようでした。
その舞台の使い方が面白いというか、俳優の動きや布置、シーンのスイッチ、同時多発など、横長の舞台だからこそ可能な演出が多々見受けられました。
もちろん、そういった演出のイメージが先にあって舞台を横長にしているのでしょうが、その舞台と演出をひっくるめた空間感覚がやはり興味深かったです。
空間感覚というと「シークエンス」を重視しがちなのですが、今野さんの場合は、プランニング(平面計画)がその秘訣ではないかと思いました。
建築家でも、人の動きが見えてくる平面図を描ける人はなかなかいないのですが、今野さんにはその感覚がある。そこでプランニングがもっともうまいと評される近代建築の巨匠コルビュジエを引き合いに語ってみました。